松本清張先生の最期

僕は北九州市八幡生まれです。昔、小倉の老舗和菓子屋さんのCMに地元出身の松本清張さんがでていたのを記憶しています。日本が生んだ偉大な作家ですが、どこか親しみやすい印象を持っていました。

1992年小脳出血で倒れ、東京女子医科大学に入院しました。その時、何かの縁か主治医として担当することになりました。一時は回復の兆しが見られたものの、残念ながら8月4日深夜にお亡くなりになりました。最後の最後まで創作意欲を抱いていたように思いました。
奥様、お子様方に囲まれた静かで、穏やかな最期でした。

若いときに苦労し、41歳で作家デビューをした先生は世に多くのベストセラーを書き、昭和から平成にかけての現代社会を如実に表現してきた作家だと思います。

昭和30年代の日本は高度成長期で、もくもくとのぼる工場の煙で、すす汚れた北九州の街並みを思い出しました。


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